とてつもなく大きい数字のことを比喩的に「天文学的数字」などと言ったりします。
では、人間が認知し得る最小のものと最大のものの比率を数値で表現したら、どの程度の数になるのでしょうか?
試しに計算してみます。
まず、最小のものを「電子の直径」とし、最大のものを「宇宙(現在知られている観測可能な宇宙)の直径」とします。
電子の直径は \(5.6358806524\times10^{-15}(メートル)\) とのこと。
宇宙の直径は現在の定説ではおよそ 780億光年とのこと。
780億光年をメートルで表すと、1光年が \(9.461\times10^{15}(メートル)\) であるため、\[(7.8\times10^{10})\times(9.461\times10^{15})=7.37958\times10^{26}(メートル)\]となります。
この値が電子の直径の何倍にあたるかは、\[(7.37958\times10^{26})\div(5.6358806524\times10^{-15})=1.309392525346941\times10^{41}\] \[\fallingdotseq1.31\times10^{41}(倍)\]
ということになります。
日本語で表せる最も大きな数の単位は「無量大数」とされていますが、この無量大数の実際の値については諸説あるらしく、有力なのは\(10^{68}\)説と\(10^{88}\)説だそうです。
どちらを採用するにしても、宇宙の直径が電子の直径の何倍かという数値は、この無量大数には全然及ばない程度の数値だということです。
ちなみに\(1.31\times10^{41}\)は日本語では13正(せい)1千澗(かん)という名前になります。
天文学上の計算で実際に使用する数値でもこのレベルの数はほぼ使われないでしょうから、恒河沙阿僧祇あたりから上の数については、存在していてもあまり意義がないのだということになりますね。
とはいえ、今回は直径の比率という1次元の数でしたので、これがたとえば容積比率のような3次元の数になれば、\(10^{60}\)クラスの数値が使われないとも言い切れませんが。
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